「山登りとリンゴ買い出し」

前回10月の信州旅行は紅葉を期待して出かけたのに拍子抜けするくらいの温かさできれいな紅葉は見られませんでした。あれから1カ月、リンゴの季節になり今度は1人で出かけてきました。今年も昨年と同じく西穂高岳独標に挑戦しました。昨年は新穂高ロープ―ウェーに着くのが遅く最終の時間に間に合いそうになく途中断念でした。よって今年は十分余裕をもって1日前に出かけました。余裕分は高山の町を一人うろつきましたが沙羅ちゃんが居ないと何か忘れものしたみたいです。今頃はソファーで腹を上にふて寝していると思います。美味しそうなお酒を2本買いました。日本酒はごく最近から飲み始めました。酒の分かる方ではありませんが気分で冷酒を美味しい料理で少し飲むのが好きです。

早く着いたので3か所の温泉に入ってきました。新穂高近辺は日本で一番露天風呂の多い地区です。その数150以上あるそうです。そこらじゅうから湯気が立っています。

今日は平湯のビジネスホテルに泊まりましたがヒノキ風呂の温泉です。近くの平湯の森という温泉にも行きました。ここも露天風呂がたくさんあります。

翌日は朝早くから目覚め山の支度をして出かけました。途中から今日登る西穂が見えてきました。昨年に比べて雪がありません。岩肌が出ていますが例年だと真っ白のはずです。一番高い部分が西穂高山頂ですがあそこまでは無理です。独標以降はバリエーションルートといってザイルなどが必要な岩場です。今日行くのはノコギリの歯のような一番手前の三角ピークです。それより独標まで行けるかどうかが問題です。ここから見ると高い所です。

ロープ―ウェー駅に着きましたがまだ駐車場が開いてません。始発は8時半ですが登山には遅すぎです。駒ヶ岳のロープ―ウェーなどは6時台からあったと思いますがここは一般観光客に標準を合わせてあるのだと思います。

それでも何とか一番に乗れて上の駅に登ってきました。展望台に上って朝の景色を見ます。正面の笠ヶ岳がきれいです。

遠く雲海の下が高山の街辺りかと思います。その向こうの白く雪をかぶった山が白山です。

そしてこれが焼岳です。北アルプス唯一の活火山です。今日は水蒸気が出てません。この山の左下が上高地の大正池があります。

反対側を見ると双六方面に槍ヶ岳の穂先が少し見えます。この写真では見えにくいですが中央やや右に見えます。
ここから外に出て歩きます。ここ岐阜県の条例により必ず登山届が必要です。コースと装備品、日程、連絡先などを記入して出します。帰ってきたら下山届けも出します。それだけこの地区は地形が厳しく遭難が多い場所なのです。西穂から槍ヶ岳にかけての飛騨側は日本屈指の岩場です。

指導員のおじさんが言うには数日前まではもっと雪があったそうですが、雨が降って雪が解けたそうです。だから日蔭はアイスバーンで厄介だと言います。西穂山荘まではずっと樹林帯の登りで日蔭です。仕方ないのでアイゼンを装着します。久しぶりの12本アイゼンです。20年くらい使ってないかもしれませんが来る前に点検して問題ないことは確認しました。ただし最近のアイゼンはワンタッチ式になっています。私のはすべて紐で締めるタイプです。わざわざ2万円近く出して買うより紐の方が確実に留まります。ピッケルも最近の物は短くこんなに長いものは持っていません。あの短いピッケルは流行りなのでしょうが納得がいきません。恰好優先のような気がします。あんなに短いと氷壁用にしかならないと思います。私らはせいぜい縦走用だから杖替わりです。

喘ぎながらやっと西穂山荘までやって来ました。昨年は見えなかった上高地が見えます。梓川がせき止められた大正池も見えます。左側には上高地帝国ホテルも見えました。上高地は何十回も行ってますが最後に行ったのがいつだっただろうか… 犬を飼い始めてから行ってないと思います。
さあ、ここからが本当の登りです。稜線は岩場が多く雪のない場所が多いのでアイゼンを外します。そしてヘルメットをかぶり出発です。

最初のピーク、丸山までやって来ました。向かいの笠ヶ岳の高さに迫っています。この時期にこんなに雪がないのは珍しいと思いますがこれも温暖化のせいなのだろうか… 夏場はにわか登山客でごった返していると思いますが今は人がまばらです。

やっと目指す独標が現れてきました。右側の台形型の岩がそれです。頂上に点のような人影が見えます。まだかなりの距離があります。休憩すると寒くさすがに風が冷たいです。

もうすぐそこですがこの辺から雪が凍って危ないためゆっくり行きます。呼吸が荒くなりました。気圧が低いのが分かる感じがします。

アイゼン外してるのでこんなところでスリップしたら谷に真っ逆さまです。危ない危ない…

そしてやっと着きました。西穂独標2701m、久しぶりの北アルプスを感じました。この先に行くというクライマーの方に写してもらいました。

これから西穂方面に行くそうです。夏場なら私も行ってみたいと思いますが今の時期に1人で行って事故でも起こしたら無謀と言われるので止めます。こんどは高山植物が咲いてる時期に来たいと思います。

これから2人が向かう方向はこんな岩場です。西穂から先の奥穂までの間は相当危険な岩場が続きます。ここから引き返しますが、帰りはずっと下りではありません。登るときは気付かなかったのですが、結構アップダウンがありちょっとした登りがキツイです。ほとんどぶっつけ本番で昔取った杵柄だけでやってきましたから…

ハイ松とキバナシャクナゲの間の縦走路はこんな状態です。こう見えても結構ツルツルです。

西穂山荘まで帰ってきました。ここからロープ―ウェー駅までがなぜか来る時より長く感じました。登りで体力を使い切ってしまったせいでしょうか…

下るロープ―ウェー内から見た西穂です。私は最初のピークまでだったんですが、あれから先の西穂山頂までなら何度もピークを越さないと行けません。若ければ行ってみたいです。へとへとで降りてすぐに温泉に入りました。山から下りて温泉、これ本当にいいです。この辺りにはどこの山にも下りたところに温泉がありセットになっています。
ここから安曇野まで約2時間、岐阜県から長野県に移動です。この上高地‐松本線を通っていつも思うのですが、よくこんな谷間に道を付けたなと思います。しかもこの谷間にダムがいくつもありますからトンネルの多いこと、そのトンネルも狭く整備されていないので大型の観光バスとのすれ違いは慣れない人は相当怖いでしょう。この日も先を走る観光バスが慣れてないのかノロノロで大渋滞してました。紅葉の季節はもっと渋滞すると思われます。この日安曇野の宿で泊まって翌日夜間瀬のリンゴ屋さんに頼んでおいた美味しいリンゴを買いに行きました。
途中時間つぶしに寄った小布施の岩松院というお寺さんは小林一茶と葛飾北斎の天井画で有名です。一茶の俳句、”やせ蛙負けるな一茶是にあり”で有名です。昔小学校か中学で習った記憶があります。その蛙の池がこの寺の裏にあります。蛙は今もよく出てくるそうで、ヒキガエルだそうです。北斎は私も大ファンで数年前にハルカス美術館であった北斎展にも行きました。世界中に散らばっている北斎の絵が一同に集まる大展示会でした。ここ小布施も北斎が晩年を過ごした場所です。岩松院の天井画もすばらしく広い天井一面が大鳳凰図となっています。撮影禁止でお見せできませんが行ってみてください。お勧めです。北斎の絵が展示された北斎館も街中にあります。

帰りの黒姫山、飯綱山、妙高山に暮れる夕日が秋の終わりを感じました。




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コメント: 4
  • #1

    Riki (月曜日, 09 12月 2019 13:19)

    無事の帰還なによりです 歳を感じさせない旺盛な好奇心に脱帽です
    リンゴ美味しそうですねジャムやコンポートでいつか味見させて下さい

  • #2

    kyonkyon (水曜日, 11 12月 2019 09:44)

    冬の山は恐怖です。私は、来年槍ヶ岳に行きたいと思っています。と言っても、ガイド付き、友達付きの安心登山です。やまの学校?とか言って無理のないゆっくり登山です。
    夏山ですが、トレーニングしないときついでしょうね?小布施っていつか行きたいところです。憧れです。

  • #3

    nekoneko (月曜日, 24 2月 2020 16:14)

    雄大ですてきな写真ですね リンゴの買い付け... これからは ご家族のためにおいしいものにまた変身されると思います 今年は暖かい冬でしたね  

  • #4

    kyonkyon (火曜日, 11 8月 2020 10:44)

    ご無沙汰しております。コロナ禍で多分山の学校は中止になりそうです。
    せっかく計画しておりましたが、あきらめました。また来年を期待して待ちます。
    日々の10,000歩とたまの那岐山で体力、脚力の維持に精進します。
    くれぐれもお体ご自愛下さい。

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